小さな幸せでウェルビーイング

現代の職場において、従業員のウェルビーイング(心身の健康と幸福感)はますます重要なテーマとなっています。ウェルビーイングとは難しいことではなく、日常のささやかな喜びや小さな成功体験が、心にポジティブな影響を与え、我々のウェルビーイングにつながります。そして、職場のパフォーマンス向上やメンタルヘルスの改善にもつながっていきます。

物価高の中で見つけるウェルビーイング

例えば、最近私が感じた小さな幸せの一つが、ごま油をめぐる発見です。物価高で特に食品の価格が上昇するなか、特に油の値段が高くなり、普段は少し贅沢なブランドもののごま油を選んでいたのですが、今回はスーパーのプライベートブランドを購入することにしました。イオン系のトップバリュー製品で、一応「国内製造」で「香料不使用」と確認してから買いました。

ところが、家で料理に使ってみると、意外なほど香りがよく、舐めてみると味もなかなかのもの。裏を見てみると「竹本油脂」と書かれていました。正直、あまり聞いたことがない名前でしたが、気になって調べてみると、なんと日本で最も歴史あるごま油メーカーの一つで、140年以上の伝統を持つ老舗だと知りました。会社名でピンと来なかった理由は、「マルホン胡麻油」というブランド名が一般的だったためです。マルホン胡麻油の代表的な製品である「太白胡麻油」は、高級な天ぷら店で使用されるようなものですし、驚くと同時に得した気分になりました。

いつもなら買えないブランドの美味しいごま油が、プライベートブランドという形で相場の半額ほどで手に入ったと知った瞬間、ちょっとした幸せを感じました。こういう小さな喜びが、実は心の健康やウェルビーイングにつながるのだと実感した瞬間なのです。

ポジティブ感情が心理的資源に

心理学者バーバラ・フレドリクソンの「ポジティブ感情拡張・構築理論(Broaden-and-Build Theory)」によれば、こうしたポジティブな感情は一時的な喜びにとどまらず、ストレス耐性や創造性、対人関係の強化など、長期的な心理的資源を構築する力があります。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1693418

小さな幸せを見逃していませんか

このように、日常の中で小さな幸せを見つける力は、職場においても非常に大切です。忙しい日々の中で、ささやかな成功や新たな発見に気づくことは、従業員のやる気や満足度、ひいては離職率の低下にもつながる可能性があります。

たとえば、通勤時間でも小さな幸せはあります。

  • 電車が空いていた(偶然座席に座れた)
  • 信号がすべて青だった
  • スムーズにエレベーターに乗れた
  • 自動販売機で当たりがでてもう1本もらえた

といったことです。

人事担当者としてできること

人事担当者としては、こうしたポジティブな瞬間を増やす環境づくりや、その価値を社員に伝える取り組みが効果的かもしれません。しかし、「取り組み」というと会社全体のルールや制度にしなければならず、ハードルが高く感じるかもしれません。そんなときは、まずは自分自身が日常の小さな幸せに気づき、それを気軽に周りと共有することから始めてみるのも良いでしょう。

例えば、「実はこの間、思わぬ発見があってね…」と、普段の雑談やランチの場でさりげなく話題にするだけでも、その空間に少し明るい空気が生まれます。こうした日常のポジティブなやり取りが積み重なることで、職場全体の雰囲気も徐々に変わっていくかもしれません。

さて、次はどんな「小さな幸せ」に気づけるでしょうか?皆さんも、日常の中で思わぬ発見や喜びを見つけてみてはいかがでしょうか。

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