主観的幸福感(Subjective Well-Being)とウェルビーイングの概念をまとめてみます。
主観的幸福感
主観的幸福感とは、個人が自分の人生をどれだけ満足しているか、どれだけポジティブな感情を感じているかを中心とする主観的な評価です。
構成要素:
- 生活満足度: 人生全般や特定の領域(仕事、家庭など)に対する満足度
- ポジティブ感情: 喜びや幸福感
- ネガティブ感情: 悲しみや怒りの少なさ
ウェルビーイング
心理学、医学、社会学など多岐にわたる領域で使われる、より広範な概念です。精神的、身体的、社会的な健康と幸福の全体像を含みます。
構成要素:
- 精神的ウェルビーイング: 自己実現、ストレス耐性、目的意識
- 身体的ウェルビーイング: 身体の健康状態
- 社会的ウェルビーイング: 人間関係やコミュニティへの所属感
主観的幸福感とウェルビーイングの共通点と違い
共通点:
- ポジティブな感情や満足感が重要な要素である
- どちらも人生の質や幸福感を測る指標
違い:
- 主観的幸福感: より主観的で、その時々の感情や満足度に基づく、比較的短期的な幸福感。
- ウェルビーイング: 人生全体の意味や目的に根ざした、長期的かつ包括的な幸福感
なぜこの違いが重要か
例えば、主観的幸福感が高くても長期的なウェルビーイングが低い場合、短期的な満足感はあっても長期的な幸福感にはつながらないことがあります。逆に、困難な時期でも人生に意味を見出せる人は、主観的幸福感が一時的に低くてもウェルビーイングが高い場合があります。
主観的幸福感が高くてもウェルビーイングが低い場合
短期的な満足感はあるが、長期的な幸福感にはつながらないという状況です。
例えば:
- ある仕事で大きな成果を上げてボーナスをもらい、その瞬間は非常に嬉しく思っていても、実際には昇進や昇給などにつながらなければ、長期的には幸福とは言えません。
- SNSで「ポジティブでなければならない」というプレッシャーから、無理に自分を楽しく見せている状態。表面的にはポジティブでも、内面的には実は疲れています。
- 一緒にいたいからといって、無計画に同棲を始めたり結婚をしても、生活が苦しかったり周囲の理解が得られなかったりすると、長期的には幸福とは言えません。
- 高価な買い物や贅沢な旅行などで一時的に幸せを感じても、根本的な人生の充実感や意義には限界があります。
主観的幸福感が低くてもウェルビーイングが高い場合
一時的に困難な状況でも、人生に意味を見出せることで長期的な幸福感を維持できる状況です。
例えば:
- 育児は体力的に辛く、ストレスも多いが、家族の成長や支え合いの喜びから長期的な幸福感を感じることができます。
- 研究やスキルの習得は、ストレスや挫折も伴いますが、それが自分の成長やキャリアに大きな意義を与えることがあります。
- 社会貢献や他者支援など、自分が他者に役立っていると感じる活動は、感情的には大変でも大きな意義をもたらします。
主観的幸福感もウェルビーイングも高い場合
ポジティブな感情と満足感が持続
日々の生活に対する満足感があり、頻繁にポジティブな感情(喜び、感謝、希望)を感じる。例えば、仕事も家庭も充実し、やりがいや達成感を感じられる状態。
人生の意味と目的を感じている
自分の存在や役割に意味を見出し、人生全体に充実感がある。子育てやキャリアにおいて、自分が誰かの役に立っているという実感。
レジリエンスが高い
困難に直面しても、前向きに捉え、乗り越える力がある。失敗やストレスがあっても、それが成長の糧になると考えられる。
良好な人間関係
支え合える家族や友人との強い絆があり、孤独感が少ない。周囲との信頼関係があることで心理的な安定感が得られる。
自己実現が進んでいる
自分の強みや興味を活かし、やりがいのある活動に取り組んでいる。例えば、仕事で成果を出しつつ、プライベートでも趣味や学びに時間を割ける状態。

